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曽野 浩樹; 大野 秋男*; 小嶋 拓治; 高橋 史明; 山根 義宏*
Journal of Nuclear Science and Technology, 43(3), p.276 - 284, 2006/03
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)臨界事故時個人線量計測法の実用化に向け、体表及び体内被ばく線量推定法の妥当性評価を、TRACY施設における臨界事故模擬実験及び計算機シミュレーションに基づき行った。模擬実験では、人体模型に装着したアラニン線量計及びホウ酸リチウム熱蛍光線量計により、人体筋肉に対する中性子及び線吸収線量を弁別して計測した。計算機シミュレーションでは、中性子,即発線及び遅発線による線量成分を考慮したモンテカルロ計算を行った。人体模型内線量分布の計算値と実験値との比較により、計算機シミュレーションの妥当性を検認するとともに、アラニン線量計及びホウ酸リチウム熱蛍光線量計による個人線量計測法が十分な精度でもって被ばく線量の初期推定値を提供できることを確認した。
曽野 浩樹; 小嶋 拓治; 空増 昇*; 高橋 史明
JAERI-Conf 2005-007, p.315 - 320, 2005/08
個人線量計は、放射線事故時における人体への外部被ばくに関する重要な評価を与える。体内線量分布は、個人線量計測の結果から被ばく線量を推定する際に必要となるが、その大部分はコンピュータ解析による評価であり、その解析を検証するための実験データは、特に臨界事故状況下において、十分に供給されていないのが現状である。体内被ばく線量に係る実験データを取得するため、過渡臨界実験装置(TRACY)において、人体模型及び組織等価線量計を用い、臨界事故時線量計測に関する予備実験を行った。人体模型内部の中性子及び線吸収線量は、アラニン線量計及びホウ酸リチウム線量計の組合せ使用により、良好に測定することができた。人体模型内外で測定された線量の放射線レベル及び分布は、空気中で測定された線量との比較により、妥当なものであると考えられる。
Mehta, K.*; 小嶋 拓治; 須永 博美
Radiation Physics and Chemistry, 68(6), p.959 - 962, 2003/12
被引用回数:3 パーセンタイル:25.79(Chemistry, Physical)既存線量計システムの高出力制動放射線への適用性を線量相互比較を通して調べた。5MeV電子加速器から得た高出力制動放射線を用いて数種の線量計をファントム中で4-12kGy照射した。線量計には、3種のアラニン線量計と3種の液体化学線量計(硫酸セリウム,重クロム酸及びエタノールクロロベンゼン)及びグルタミン線量計を用いた。制動放射線に対する線量応答については、Co-60線の校正曲線から線量値を決定した。いずれの線量計も3線量レベルの値は3%以内でよく一致し、高出力制動放射線にも応用できることが示された。
中村 剛実*; 外池 幸太郎; 三好 慶典
JAERI-Tech 2003-031, 38 Pages, 2003/03
経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)が、各国の線量測定システムの相互比較を行うために、仏国バルデュック研究所の過渡臨界実験装置SILENEで臨界事故時線量評価国際比較試験を実施した。これは、同一の照射場において各国が線量測定を行い、測定結果を相互に比較するものである。筆者は、SILENEの線量及び中性子線量を測定するために本試験に参加した。使用した線量計は、TLD及びアラニン線量計である。この試験において、中性子用TLDの測定値である周辺線量当量から、組織吸収線量を算出するための中性子用評価式を導き出した。本評価式を用いて算出した組織吸収線量をOECD/NEAに報告した。中性子用評価式を検討する目的で、日本原子力研究所のTRACYにおいて中性子用TLDを照射した。中性子用TLDの結果は、MCNPによる計算とアラニン線量計の測定結果で比較検討した。その結果、中性子用評価式の結果はアラニン測定結果に対する比が0.94となり、6%以内で一致することがわかった。このTRACYの試験より、OECD/NEAに報告した値は同等の精度を有することが言える。
小嶋 拓治; 須永 博美; 瀧澤 春喜; 橘 宏行
JAERI-Conf 2000-001, p.310 - 313, 2000/03
3-45MeV/amuイオンビームの0.005~200kGyの線量測定を目的として、低LET放射線(Co-線またはMeV電子線)について応答特性を既に明らかにした、アラニン、三酢酸セルロース(CTA)等厚さ10-200mのフィルム線量計の応用を行った。まず、ファラデーカップ(FC)を用いたフルエンス測定値の精度を、フルエンスの均一な照射場における熱量計との同時計測により評価した。この結果、数nA/cmレベルで両者の比は1.022%でいずれのむイオンビームについてもよく一致した。次に、FC計測に基づき応答の直線性ある線量域でフィルム線量計を照射し、その応答を低LET放射線の場合と比較した。いずれの線量計も高LETになるに従い応答が徐々に低下する傾向をそれぞれ4%以内の精度で同様に示した。これから、低LET放射線で構成したこれらのフィルム線量計が、適当な補正を加えることによりイオンビームにも応用可能であることを明らかにした。
小嶋 拓治; 須永 博美; 滝沢 春喜; 橘 宏行
IAEA-TECDOC-1070, p.197 - 202, 1999/03
TIARA AVFサイクロトロンからの5~20MeV/amuイオンビームを対象とした吸収線量測定を目的として、ファラデーカップ、全吸収型熱量計及びフィルム線量計といった測定システムの開発を行った。リアルタイムのビームモニタに用いるファラデーカップによる粒子フルエンス測定における不確かさを、粒子エネルギー公称値をもとに算出した評価値と実測値を比較することにより評価し、数10pA/cm(電荷測定値にして数nc/cm)レベルの低フルエンスであっても、平均の/は1.02であることを明らかにした。このフルエンス測定に基づき、アラニンフィルム及びラジオクロミック(FWT-60)測量計のイオンビームに対する線量応答特性を調べた。低LET放射線の場合に比べ、これらの線量計の相対線量応答は線量計素子中の変化を考慮して求めた平均質量衝突阻止能が約100MeV/g/cm以上から減少する傾向を示した。
H.H.Mai*; N.D.Duong*; 小嶋 拓治
IAEA-TECDOC-1070, p.345 - 351, 1999/03
ベトナム原子力委員会照射センター(IC-VAEC)と原研との協力で、VAECで用いられている重クロム酸線量計の標準的使用方法を確立するため、トランスファー線量測定による線量相互比較実験を行った。重クロム酸線量計(VAEC)は原研で照射後VAECで、またアラニン線量計(原研)はVAECで照射後原研で、それぞれ分析・読み取りがなされた。この結果、線量範囲5~30kGyで両者の線量値は2.5%以内で一致した。さらにアラニン線量計を用いたIAEA国際線量保証サービス(IDAS)によるVAECとIAEAとの比較でも3%の一致が得られた。一方、VAECの重クロム酸線量計を用いた測定における不確かさを見積もった結果、95%信頼度限界で4%という値が得られ、線量相互比較結果とも整合することが明らかとなった。
L.G.Lanuza*; E.G.Cabalfin*; 小嶋 拓治; 橘 宏行
IAEA-TECDOC-1070, p.337 - 344, 1999/03
フィリピン原研(PNRI)で用いている線量測定システムの信頼性を評価するため、PNRIのエタノールクロロベンゼン(ECB)、フリッケ、原研高崎研(JAERI)のアラニン線量計を使った線量相互比較を線量50kGyまでについて行った。これらの線量計をPNRIの線施設で同時に照射した後、ECBとフリッケはPNRIで、アラニンはJAERIで分析・評価した。この結果、フリッケ/アラニンは0.95であったが、ECB/アラニンは1.00とよく一致した。また、日本において、JAERIの研究用線施設とラジオ工業の加工処理用線施設でコンベア使用の有無等の異なる照射条件下で行ったPMMAとアラニンの比較では、両者の比は1.010.02とよく一致した。国際線量保証サービス(IDAS)を通じて行ったPNRIと国際原子力機関(IAEA)との9年間にわたる比較でも、PNRIの線量値は5%の比較的よい結果が得られている。
小嶋 拓治; 橘 宏行; 羽田 徳之; 川島 郁男*; P.H.G.Sharpe*
Radiation Physics and Chemistry, 54(6), p.619 - 626, 1999/00
被引用回数:10 パーセンタイル:60.66(Chemistry, Physical)Co線の高線量測定に関して、照射及び校正の手順全体を詳細に検討し、その不確かさを評価した。この結果、原研の校正システムを用いて与えられる線量における不確かさは2.2%(2)であり、またアラニン/ESR線量計を用いたトランスファー線量測定における不確かさは3.4%(2)であった。また、この不確かさの値を確かめるため、線量範囲1-50kGyにおいて英国物理研究所(NPL)と原研の間で、アラニン-PS(原研)、アラニン-パラフィン(NPL)及び重クロム酸(NPL)線量計をトランスファー線量計に用いた郵送による双方向の線量相互比較を行った。アラニン及び重クロム酸線量計のいずれを用いた場合も、NPL及び原研の線量値は約2%以内でよく一致し、これから原研におけるCo線の線量測定において求めた不確かさの値の正当性が示された。
小嶋 拓治; 橘 宏行; 春山 保幸; 柏崎 茂*
放射線化学, (66), p.47 - 49, 1998/00
平成9年度放射線化学技術賞を受賞した「アラニン線量計開発計画」の内容を概説する。吸収線量に比例して生じる温度で安定なアラニンのフリーラジカルを電子スピン共鳴(ESR)法により定量することに基づく線量計測法に関し、アラニン-ポリマー混合物を用いた使用目的にあった種々形状の線量計素子の成形技術、専用ESR装置の開発及び線量計測における信頼性に関する研究を行った。これにより、放射線利用の試験・研究におけるアラニン線量計の応用を拡大するとともに、トランスファー線量測定による国内外の線量標準化技術の確立に寄与した。
小嶋 拓治; 柏崎 茂*; Zhang, Y.*
Applied Radiation and Isotopes, 48(7), p.965 - 968, 1997/07
放射線プロセスで大量に使用するルーチン線量計の開発を目的として、低価格で均一な素子の大量製造が可能な射出成形法を用いて、ポリスチレンで成形したアラニン/ESR線量計の素子を製造した。加工レベルの高線量域におけるガンマ線に対する線量応答特性、精密度、1kGy照射時における照射中の温度依存性等主要な線量計特性を調べた。0.1-100kGyの線量範囲における線量応答の精密度は素子の重量による補正の有無によらず、68%信頼度で2%以内であった。線量1kGyでは、545Cの照射温度で応答は+0.25%/Cの係数をもつ依存性を示した。また0.1100kGyでは、照射後のESR応答は、25C及び湿度40%で少なくとも2ヶ月間は1%以下の減衰しかなく安定であった。
小嶋 拓治; 柏崎 茂*; Zhang, Y.*
Applied Radiation and Isotopes, 48(7), p.965 - 968, 1997/00
被引用回数:5 パーセンタイル:42.84(Chemistry, Inorganic & Nuclear)放射線プロセス用実用線量計の開発を目的として、安価で大量製造が可能な射出成形法を用いたアラニン-ポリスチレン線量計素子について、プロセス線量レベルのガンマ線線量応答特性、精度、1kGyにおける照射中の温度の影響などの基本的な線量計特性を調べた。この結果、重量補正の有無によらず、0.1~100kGyの範囲で2%(68%信頼度)の精度が得られることがわかった。また1kGyにおける線量応答は、照射温度が5~45Cの範囲で+0.25%/C(25C基準)の係数をもつ温度依存性をもつこと、0.1~100kGyの範囲では照射後の線量応答は25C湿度40%の保存条件下では、少なくとも2ヶ月間は1%以下の減衰しかないことが明らかとなった。
小嶋 拓治; 森下 憲雄; 伊藤 久義; S.Biramontri*
Applied Radiation and Isotopes, 47(4), p.457 - 459, 1996/00
被引用回数:4 パーセンタイル:39.42(Chemistry, Inorganic & Nuclear)冷凍食品照射における工程管理や超電導磁石使用の大型加速器施設で用いられている材料・機器部品等の劣化診断を目的とした線量測定、またレファレンス線量計としての信頼性確保のため、アラニン線量計の多様な条件下における特性を明らかにすることが望まれている。そこで、アラニン-ポリスチレン線量計のガンマ線応答について、線量5kGy照射温度-196~+30C、及び線量範囲0.1~10kGy、ESR測定温度0~+50Cの条件下の特性を調べた。照射温度依存性については、すでに報告した温度係数+0.24%/C(0~+70C)が-15Cまで適用できることが確認されたが、-78C及び-196Cではこの係数を用いた補正値より実際の応答は約8%低い値となった。また、ESR信号強度は測定温度にボルツマン定数に基づく絶対温度の逆数の関数で依存し、線量に依らず0~+50Cの測定温度範囲で平均-0.25%/Cの係数をもつことがわかった。
F.Coninckx*; A.Janett*; 小嶋 拓治; S.Onori*; M.Pantaloni*; H.Schoenbacher*; M.Tavlet*; Wieser, A.*
Applied Radiation and Isotopes, 47(11-12), p.1223 - 1229, 1996/00
被引用回数:5 パーセンタイル:45.11(Chemistry, Inorganic & Nuclear)高エネルギー加速器や粒子検出器には、超電導技術が用いられつつあり、これらの機器部品は、極低温で放射線を照射される。したがって、これらの条件下における材料類の耐放射線特性試験及び線量評価基準が必要である。アラニン/ESR線量測定法は、室温における基準線量計として世界的にも認められている。これまでの研究から、この方法は感度低下はあるが低温にも応用可能と考えられた。このため、5種の異なるアラニン線量計の温度依存性を調べた。線量範囲10Gy~80kGy、290K、70K及び5Kについて、応答特性を比較した。これにより、いずれの線量計も線量応答は照射温度とともに低下し、またこの効果が線量にも依存するという整合性ある結果が得られた。
H.H.Mai*; Ng.D.Duong*; 小嶋 拓治
Applied Radiation and Isotopes, 47(2), p.259 - 261, 1996/00
被引用回数:2 パーセンタイル:24.74(Chemistry, Inorganic & Nuclear)ベトナム原子力庁照射センター(IC-VINATOM)と原研との間で、2種類の重クロム酸銀溶液線量計及びアラニン-ポリスチレン(PS)線量計を用いた、5~50kGyの高線量域のガンマ線吸収線量の比較実験を行った。IC-VINATOMで調製した測定範囲の異なる2種の重クロム酸線量計は、原研のCo線施設で照射され、IC-VINATOMで吸光度測定された。原研のアラニン-PS線量計は、IC-VINATOMでCo線照射され、原研で電子スピン共鳴(ESR)測定が行われた。1~50kGyの線量範囲で行った異なる線量計を用いた双方向の相互比較において、照射した公称線量値と分析により求めた評価値は、4%以内で一致した。このような線量計の郵送による線量比較実験は、リファレンスレベルの研究所間の相互比較に基づく地域的線量標準化ネットワークに結びつくことが期待される。
小嶋 拓治; 津田 政行*
Radioisotopes, 44(9), p.603 - 607, 1995/09
アラニン-ポリスチレン(PS)線量計は、素子の組成が生体組成に近く優れた特性をもっており、放射線治療における1100Gyの線量測定でもその有用性が期待される。本報告では、治療用18MVのX線及び620MeVの電子線を用いて、未照射素子のゼロ線量値の評価とその補正、1kGyの応答に規格化することによる線量評価とその不確かさ等について調べた。この結果、ゼロ線量値が3.5Gy相当とやや高い欠点をもっているが、ゼロ線量値を補正した応答が吸収線量とほぼ正比例していることから、1kGyの応答を基準とすることにより、3%(68%信頼度)程度の精度で1100Gyの線量評価が可能であり、治療分野で要求される2%を10Gy以上ではほぼ満たしていることが明らかとなった。また18MVのX線及び620MeVのエネルギーの異なる電子線の線量応答に線種による違いが認められなかった結果について他の報告例と比較し考察を加えた。
柏崎 茂*; 松山 茂樹*; 柳生 秀樹*; 原 秀元*; 小嶋 拓治
JAERI-Conf 95-003, 0, p.270 - 274, 1995/03
アラニン/ESR(電子スピン共鳴)線量測定法は優れた大線量測定法として知られているが、取扱いが複雑で高価な読み取り装置を用いるため、放射線プロセスへの応用が進まなかった。しかし、均一形状かつ均質なアラニン線量計素子アミノグレイ=の大量製造法が開発され、ESR装置の分析パラメータ、複雑な調整手順及び価格を低減することが可能となった。この線量計素子専用に機能を単一化したワンタッチのリーダの開発を行った。従来試料交換の度に不可欠であった自動周波数制御(AFC)のON/OFFの省略など調整・測定手順の単純化を追求した。このリーダにより、1~100kGyの線量範囲を1%(1)以内で、かつ約10秒で読み取ることができる。装置の大きさは30cm立方体程度で重さは約14kgと小型軽量である。このリーダにより、アラニン/ESR線量測定法が放射線プロセスにおいて応用される引き金となることが期待される。
S.R.Nilekani*; G.R.Narayan*; B.Suseela*; R.M.Bhat*; B.L.Gupta*; 小嶋 拓治; 滝沢 春喜; 須永 博美; 田中 隆一
Applied Radiation and Isotopes, 46(3), p.205 - 207, 1995/00
被引用回数:5 パーセンタイル:58.38(Chemistry, Inorganic & Nuclear)線量計の輸送による地域的な線量標準化を目的として、インドBARC・日本原研間において、アラニン線量計(結晶粉末及びポリスチレン(PS)成形素子)及びグルタミン線量計(結晶粉末)を用いた高線量域の線量相互比較実験を行った。粉末状線量計は原研で照射後BARCにおいて吸光度測定により、PS成形アラニン線量計はBARCで照射後原研において電子スピン共鳴(ESR)によりそれぞれ線量評価された。この結果、Co-線及び3-MeV電子線いずれについても、線量1、10、33及び54kGyにおける両研究所の公称/測定値は5%以内で一致した。これにより、フリーラジカル線量計が郵送による国際的線量相互比較に有用な手段であることが明らかとなった。
小嶋 拓治; 柏崎 茂*; 橘 宏行; 田中 隆一; M.F.Desrosiers*; W.L.Mclaughlin*
Applied Radiation and Isotopes, 46(12), p.1407 - 1411, 1995/00
被引用回数:16 パーセンタイル:80.82(Chemistry, Inorganic & Nuclear)異なった成形方法(プレス及び押出し)で製造した異なる形状(異なる長さのロッド及びフィルム状)のアラニン-ポリマー線量計の電子スピン共鳴(ESR)測定における素子の方向依存性を明らかにした。ESR空洞共振器内の磁場に直角な垂直軸を中心に線量計素子を回転し、異なる方向におけるESR信号強度を22Cで測定した。ロッド状素子では、プレス及び押出しのいずれの成形方法についても、また長さが異なっても方向依存性は無視できた。円盤状に切り出した押出し成形で製造したフィルム状素子をESR空洞共振器内で水平(磁場に平行)に置いた測定では、アラニン結晶の配向性によると考えられる顕著な方向依存性がみられた。しかしながら、垂直(共振器中心軸に平行)に置く方法により、フィルム状素子の方向依存性を解消できることを明らかにした。
D.Nichiporov*; V.Kostjuchenko*; J.M.Puhl*; D.L.Bensen*; M.F.Desrosiers*; C.E.Dick*; W.L.Mclaughlin*; 小嶋 拓治; B.M.Coursey*; S.Zink*
Applied Radiation and Isotopes, 46(12), p.1355 - 1362, 1995/00
被引用回数:31 パーセンタイル:92.5(Chemistry, Inorganic & Nuclear)プロトン加速器を用いたガン治療に関しては、米、露、日等の主要な医療センターで研究が行われている。これらの機関間の線量相互比較を容易にするため、治療用プロトンビームを用いて、NIST(米)製造のアラニン素子及び市販のラジオクロミックフィルムのトランスファー線量測定への応用の実効性を調べた。プロトンのエネルギーを変えた時のLET依存性を含む線量計の応答特性については、ITEP(露)で評価を行った。線量の絶対値測定の結果は、ITEP及びNIST間の線量相互比較の予備実験として得られたものである。約10回の測定実験の結果、ITEPとNISTの線量基準は、平均して2.5%以内で一致した。